歯周病の治療・予防

「沈黙の病」と言われる歯周病!

「沈黙の病」と言われる歯周病!

歯周病は、痛みを感じないまま症状が進行していく病気です。また、症状は出ていても初期段階では「少し出血がある」「歯茎に赤みがある」程度なので、放置している人も多いです。

健康そうに見える歯周病ですが、実は中の骨が痩せているということもあります。また、歯周病はむし歯のように1本だけ悪くなるのではなく、まわりの歯を巻き込んで悪くなるものです。一気に進行が進み、しっかり噛める健康な歯がなくなる可能性もあります。

家に例えると、むし歯は壁に穴があくようなものなので、穴さえふさげばなんとかなります。一方、歯周病は家を支える地盤が悪くなっていく(地盤沈下)病気なので、いくら家や壁をしっかりさせても地盤から倒れていきます。しっかりした地盤があってこその家であるように、健康な歯茎があってこそのお口の健康なのです。

歯周病は40代頃からが一番増えてくる時期ですが、早い人だと10代から症状がみられることもあります。早めの治療と予防を心がけるようにしましょう。

歯周病の前兆
  • 歯磨きをすると血が出る
  • 歯茎の色が赤みがかっている
  • 最近ものが詰まりやすい

これらの症状は歯周病の前兆です。日頃からお口の中をよく観察し、少しでも症状があれば早めにご来院ください。

歯周病の原因

歯周病の原因

歯周病の原因は歯周病菌です。歯周病菌はむし歯菌と同じく、もともと口の中にある常在菌なので、100%ゼロにすることはできません。ただし、歯周病菌が悪さをしないように、口の中の環境を整えることはできます。

歯周病は遺伝によるものもありますが、噛む力のバランスも関係しています。
例えば、歯ぎしりをする人や噛みしめが強い人は、歯を支える土台に負担がかかって歯茎が痩せ、歯周病を進行させることがあります。また、被せ物の噛み合わせの調整を行わずに歯周病が進むこともあります。

口呼吸の人も要注意です。口の中が乾燥しやすいので唾液の量が少なくなり、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

自宅でできる歯周病予防

自宅でできる歯周病予防

まずは、正しい歯磨きを身につけましょう。

歯を磨くとき、歯だけに歯ブラシを当ててシャカシャカ磨いていませんか?
そのような磨き方は、歯の表面だけしか磨けていない場合が多いです。歯を磨くときは、歯茎をマッサージする気持ちで歯ブラシを当てましょう。また、汚れが残りやすいところを意識した効率の良い歯磨きの仕方を覚えましょう。

自分のお口に合った道具を使うことも大切なポイントです。

歯科医師や歯科衛生士のすすめる歯ブラシや歯磨き剤、フロス、歯間ブラシ、洗口剤などは、その人のお口や生活習慣に合わせて選んでいます。歯磨き粉ひとつとっても、むし歯の多い人ならフッ素入りの歯磨き粉やジェル、歯周病の人なら薬効成分が含まれている歯磨き粉、アレルギー体質の人だったら漢方成分の入っている歯磨き粉など、さまざまなものがあります。専門家のアドバイスを聞き、自分に合った道具を効果的に使っていきましょう。

口呼吸や噛みしめなど、歯周病を進行させるような癖のある人は、歯科医院へ相談しましょう。そのうえで普段の生活習慣を見直すと良いでしょう。

自宅でできないことは歯医者さんで

自宅でできないことは歯医者さんで

毎日丁寧に歯磨きをしていても、どうしても取れない汚れはあります。特に、奥歯は形態が複雑でケアしにくいので、歯周病が進行しやすい場所です。定期的に検診を受け、歯のクリーニングをしてもらいましょう。

歯科医院では「PMTC」、すなわち専用の道具を使った歯のクリーニングを行っています。歯の表面がつるつるになり汚れもつきにくく、自宅の歯磨きでは出せない美しさを出すことができます。

定期的な検診やクリーニングは、歯周病を予防し、重症化させないために欠かせないものです。毎日の歯磨きで補えないところはプロの手におまかせください。

歯周病治療の流れ

歯周病治療は以下の流れで行います。

STEP01
歯周病の検査レントゲン撮影でお口全体の精密な写真を撮り、デジタルカメラで歯茎の状態を記録します。歯周ポケットの深さや歯茎の腫れ具合、骨の痩せ方、歯の動きの有無、出血の有無を確認します。噛み合わせをチェックし、歯ぎしりや噛みしめなどの癖があるかどうかをみます。
STEP02
歯の清掃・表面の歯石取り・ブラッシング指導データがとれたら、ひととおり歯の表面の歯石や着色を取ります。患者さまのお口の状態に合わせた歯磨きの仕方や道具、材料のご提案も行います。
STEP03
歯茎の奥の歯石取りもう一度検査をして、歯茎の奥に残っている歯石がないかどうかを確認します。
残っている汚れがあれば、歯科衛生士が歯石を1本ずつ取っていきます。
STEP04
確認歯石が取れたら、歯の表面を磨いてきれいになっているか確認をします。きれいになるまでこれを繰り返します。

※上記以外に、噛み合わせの調整や被せ物の取り換えなどを行うこともあります。
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