むし歯は、家に例えると壁である「歯」が溶けていく病気です。 壁に穴が少し開いている程度であれば、比較的簡単に治すことができます。しかし、放置すればするほど家の中は崩壊し、大事な大黒柱でもある「神経」も腐ってしまいます。そうなると家は倒壊し噛むことができなくなり、むし歯ではない他の歯にも影響していきます。
ここまでくると、治療には痛みや不快感を伴い、時間もお金も多くかかってしまいます。そうならないためにも、むし歯は早期発見・早期治療が大切です。
来院のタイミング
本来、歯の色は象牙色(オフホワイト)ですが、歯の色が白くなったらむし歯が始まりかけたサインです。ただし、このような色の変化はわかりにくいので、定期的に検診を受けることをおすすめします。検診ではお口の状態をチェックした後、歯のクリーニングとフッ素塗布を行います。お口に関するお悩みもこの機会にぜひご相談ください。
定期検診の周期
当院で多いのは、3ヶ月に1回で検診を受ける方です。ただし、むし歯の本数が多い、歯の質が弱い、歯並びが悪い、食生活が整っていない方へは、もう少し短い周期での来院をおすすめしています。
定期検診の周期は、その人の持っている環境によります。当院では、むし歯菌の数や唾液の酸性度の強さ、歯周病の進行具合、歯ぎしりや食いしばりなどの癖の有無などを統合して、周期を決めています。
冷たいものがしみると、すぐに「むし歯がある!」と思いがちですが、むし歯以外で歯がしみることがあります。いわゆる「知覚過敏」です。 原因としては、
などがあります。 自分で判断するのは難しいので、症状が出たらまずは来院しましょう。
砂糖はむし歯菌のエサとなり、むし歯の原因になっています。一日にとって良い砂糖の量は、体重を2で割ったグラム数(60㎏の人だと30g)とされています。普段の食事にも砂糖は含まれており、嗜好品でとれる砂糖の量は意外と少ないので注意しましょう。甘いおやつだけでなく、飲み物にも砂糖は含まれています。特に、炭酸飲料やスポーツ飲料は砂糖が多いので気をつけましょう。
むし歯予防の基本は、歯磨きをすることです。まずは「食べたら磨く」習慣をきちんと身につけましょう。また、寝ている間に菌が増殖しますので、夜寝る前の歯磨きは必ず行い、できれば朝起きてすぐにも磨くのが理想です。 フロスや歯ブラシなどの道具を上手に選んで使うと、予防の効果がさらに高まります。当院では、患者さまそれぞれに合った道具や方法をお伝えしています。
まずはお口の中をチェックして、むし歯や歯周病の有無や程度を判断します。30~60分くらい時間をとって丁寧に診療を行います。 むし歯があれば、進行具合に合った治療法を行います。 初期のむし歯は歯を削りません。歯のクリーニングの後にフッ素を塗ります。 エナメル質から象牙質にむし歯が進行している場合は、早めに歯を削り、元の歯の色に近いプラスチックの材料を埋め込みます。 噛む力が大きい部位のむし歯は、プラスチックだと割れてしまうことがあるので金属の詰め物をします。ハイブリッドやセラミックなどの詰め物をすることもあります。 神経まで菌が入っている場合は、神経を取って神経管を掃除した後、薬を詰め込んでから被せ物をします。このとき、歯の頭のほうがかなり崩壊していたり、根っこがちぎれかけたりしていれば、歯を抜くことも考えないといけません。歯を抜いたら、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどで歯のない部位を補って噛めるようにします。